呼称・指称13 ~呼称によるトラブル~
第13回までの呼称・指称シリーズ
直接興味のなかった方も
多くいらっしゃったとは思いますが
皆さんどうでしたか?
韓国人の呼称・指称の使い方を
何となくお分かり頂けたと思います。
同じく、#とんこ#も
調べながら分かったことがある。
同じ韓国人でも
呼称・指称に対する考えが異なるということ!
ある人にはそれが常識
ある人にはそれが非常識や不快
という具合にけっこうややこしく
トラブルになることもある。
こんな話がある。
エピソード1
韓国人のAさんが転職し新しい職場で平社員として働いている。しかし、呼称問題のせいで同じ平社員の同僚たちとうまくいかなくなったという。
①Aさんは後輩、同僚は先輩の立場。
②互いに肩書きがない同じ平社員。
③Aさんは転職組のため彼らより年上。
Aさんは年下の同僚たちを「キム・ヨンハさん」といった具合にさん付けで呼んだが、彼らはAさんに先輩と呼ぶことを強要した。韓国職場では社会的地位による上下関係が優先されるものの年齢も完全には無視できない。それなりの礼節を持つというのが大切である。
Aさんは、彼らが例え年下でも上司なら「課長様」と呼べるし、平社員でも自分が同い年や年下なら「先輩」と呼べるという。肩書きのない立場のくせに年齢を無視して先輩風吹かすことに納得いかないのである。
これに関しては韓国人でも意見が分かれるとは思う。まあ、#とんこ#なら学生の部活でもあるまいし、少なくとも年上相手に「先輩」と呼ばそうなんて思わないけど…。この件に限らず家族親戚の呼称の文化から見ても、韓国人にとって日本人が思う以上に呼称が重要なんだと思う。
エピソード2
公共機関に勤める平社員のBさん(男)が、インターンでやって来たMさん(女)に「キム・スンホさん」と「さん付け」で呼ばれ気分を害するという経験をした。
そして、今度は1年の契約職のHさん(女)が入って来たのだが、彼女はBさんより10才ほど年上。
堅苦しい職場のためBさんはHさんを「ヌナ(お姉さん)」とも呼べない。いくらHさんが契約社員で後輩だからといっても、10も年上のHさんを何と呼べばいいか分からないということだった。
これに対し、ある人はこう助言した。Hさんを「△○○さん」と呼ぶことは間違ったマナーではないが「韓国の情緒上ちょっと…」というのも事実なので「△○○女史」と呼ぶといいだろうと。
#とんこ#
は「女史」という単語を使うことを知っておったまげた!
あれ?今時、この言葉を使う??
#とんこ#の女史のイメージは、
見識や教養があり
社会的に名声がある女性である。
単に年配女性を指す言葉ではないし、
その単語が似合う時代背景は
大正や
昭和初期の気がするのだ…。
現代は社会で活躍する女性も多く、
この言葉自体使う機会も
あまりないのではないだろうか?
#ナマケモノ(韓国人の夫)#も元々は
#とんこ#と同じ認識だったが、
年配の女性に敬意を払う意味で使う
韓国人があまりに多いので、
昔、気になって辞書で調べたことがあるそうだ。
すると、
韓国の辞書には
元々の意味だけでなく
結婚した女性を高めていう言葉
という意味も載っていて驚いたという。
それを聞いて、#とんこ#は日本の辞書で調べた。
①社会的地位と名声のある見識の広い女性に付ける敬称
②律令制の女官の一つ
③古代中国で王后の記録など司った女官
どこにも結婚した女性を高める敬称という説明はなかったんですね~。
それで、#とんこ#夫婦の考えはこう。
韓国でも元々は
①の意味だけで使われていたが、
女性の敬称に困り
いつしか既婚女性に対する敬称として
間違った使われ方をされ始め、
それがあまりに定着してしまったため
「既婚女性の敬称」という意味が
辞書にも追加されたのではないか?ということである。
前回、韓国では年配の男性を
「先生様(선생님/ソンセンニム)」
と呼ぶブログ記事を書いたが、
それと合わせて考えてみても
日本と比べて不便な状況が発生する確率が高いと思う。
呼称・指称シリーズ↓
➔ 1. 誰々のママという呼び方
➔ 2. 韓国人泣かせの文化
➔ 3. 妻が夫を呼ぶとき
➔ 4. アッパ(パパ)とオンマ(ママ)
➔ 5. 「キムさん」と呼ぶとダメな理由
➔ 6. 恋人同士の呼び方
➔ 7. チャギヤを友達同士でも使用?
➔ 8. ビジネス、役職名
➔ 9. 職場内での呼称
➔ 10. 平社員の呼称の種類
➔ 11. 取引相手の呼称
➔ 12. 教師じゃないのにソンセンニム
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