実は、당신(タンシン)は、
Youの意味ではあるが
英語のようにすべての状況で使える
オールマイティーの言葉ではなく
使える範囲が限定されている。
一般的な日常会話では使うことは好ましくないというのだ。
例えば、
あなたが店で品選びに困って店員に
「あなたのおススメは何ですか?」
と聞くのは失礼なんですね。
また、あなたが対話相手に
「あなたの好きな歌は何ですか?」
と聞くのも失礼。
では、どういった状況で使えるのか?
調べてみると…
①(夫婦間で互いに)
「あなた、お食事は?」
②(不特定多数に対して宣伝などで)
化粧品の宣伝文句で
「あなたに合う色がきっと見つかる」
③(歌謡曲、詩、手紙などで)
「あなたが忘れられなくて」
④(外国語2人称代名詞の翻訳として)
「マイケルはあなたが好きなのよ」
⑤(喧嘩をするときに)
「ちょっと、あんた何なんですか!」
⑥(話題の中心となる目上の人に3人称として用いて)
「ご自身が直接なさるそうです」
喧嘩でなぜタンシンを使うのか?
例えば、食堂で誰かが自分に当たり
汁がこぼれて自分の服が汚れたが、
相手の名前も職業も地位も知らない。
そんなとき、相手の呼称がなく
表現に困るわけである。
でも相手をはっきり名指ししたい。
こういった状況で使うそうだ。
※知り合い同士の喧嘩なら
普通、名前や職業(お医者さん)、地位(課長)などを使う
で、ここからは#とんこ#の推測だが
こういった場合、
仮に怒鳴らずに言葉遣いや口調を
ていねいにしたとしても
ムッとしながら言うわけだから
「あの、あなた今、私に当たって
汁がこぼれたんですけど」
とどっちみち怒った言い方にはなりますよね。
こういったことからも
普段は使用しない
タンシンを使う状況として
喧嘩を連想してしまうじゃないかなぁ~。
ちなみに、#ナマケモノ(韓国人の夫)#は
三十数年生きてきて
この単語を一度も使ったことがないそう。
とにかく!
日本人は韓国人との日常会話で
タンシンという語は基本的に使わないのが無難なよう…。
どうしても「あなた」を
使わないと困るときは、名前や
先生、お客様、運転手さん、部長等
代用できる言葉を使い、
それも難しい状況では
わざと省略するしかないようです。
じゃあ「오빠(オッパ)」はダメか?
最近だが、特に若い妻が夫を
오빠(オッパ)と呼ぶケースも多い。
※韓国では実兄以外にも年上の彼氏や年上の親しい男性をオッパと呼ぶことが多い。
でも、これは
恋人時代の習慣が抜けきれず
結婚後もそのまま呼び続けている状態でよくはないという。
もちろん、本人以外の人との会話で
自分の夫のことをオッパと表現することもアウト。
日本で例えれば、
社会人が社会生活の中で母親のことを
「母」と言わず「お母さん」「ママ」
というような感覚じゃないかなぁ…。
韓国では、社会人としての教養や
一般常識うんぬんという話になり
個人の自由とは言っても
夫の親戚から白い目で見られないためにもやめた方がいいだろう。
「名前」で呼ぶのはどうなの?
日本や欧米諸国のように
妻が夫を名前で呼ぶことはないらしい。
例えば、隣の部屋にいる夫を
「(ねえ)ナマケモノさ~ん」と
呼ぶことはしないわけですね。
正確に言えば、最近こそ若い夫婦が
名前で呼ぶケースもあるようだけど
夫が妻を名前で呼ぶことはあっても
妻が夫を名前で呼ぶことは
かなり珍しいようである。
また、オッパ同様
あまり良い印象がないようで
他人の前で夫婦が名前で呼ぶのは
好ましくないとのこと。
呼称・指称シリーズ↓
➔ 1. 誰々のママという呼び方
➔ 2. 韓国人泣かせの文化